デイジーを迎える

なにかと不穏な噂のペットショップで売れ残っていたデイジーですが、ともかく会ってみようという行動を起こしたのは、いったいなぜだったのか、もうよく覚えていなかったりします。早くいかないと処分されてしまうかもしれないという犬に同情を感じ、少し正義感のようなものもあったかもしれません。飼い主はこれまでペットショップという場所で犬を入手したことはありませんでしたし、お金を払って命を「買う」ということには少し抵抗がありましたが、アラジンとの生活も順調な中、犬を飼うということに対してあまり深い考えがなくなっていた時期だったのかもしれません。
行っていろいろ話を聞いてみると、店長さんはこの子がもう少し売れずに残っていたら、自分が飼おうと思っているんだと言いました。この言葉はいかにも怪しく思われ、飼い主の気持ちはだんだんとこの子を引き取らないでどうする、という方向に傾いていきました。デイジーはそんなこちらの気持ちを知ってかどうかわかりませんが、飼い主夫妻には全然こびずに勝手な行動ばかりして店舗内を走り回り、最後にペットシーツに用を足して寝てしまいました。このこびない行動と、ペットシーツに用を足すというしつけができているということが決め手となって (ところが、恐るべきことですが、この後亡くなるまでデイジーはペットシーツで用を足すという行動がどうしてもできませんでした。出会いの日にそれができたのは、よほど飼い主宅にやってきたかったのではないでしょうか)、飼い主はショップの言い値でデイジーを引き取ることとなりました。売れ残りだからと言って、値引きするといった対応はまったくなかったと記憶していますし、こちらもそれは求めませんでした。
こうして、2003年2月21日、生後5か月を迎えようとしていたデイジーが我が家にやってきました。連れてくる車の中では、どうやら初めてのケージでの移動にパニックしたらしく、たいへんな下痢に失禁、そして吐くという騒ぎとなりました。
このデイジーの粗相の後始末は、結局彼女が年をとって最後の時を迎えるまで、飼い主の人生についてまわったということがいえます。

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