2017年は大変な年

2016年に14歳を迎えた秋から冬ころまで、デイジーはまだボール投げなどの遊びが好きでよく走っていたと思います。
しかし、2016年の12月に山荘を冬支度して閉めるとき、飼い主は「本当にまた来られるのだろうか」という気分になりました。デイジーの動きが鈍くなり始め、目がぱっちりと開ききらないときがあるなど、老化の兆候が見られ始めたからです。日常的な行動は今まで通りのように見えましたが、何かが明らかに違ってきていました。


こうして不安な幕開けを迎えた2017年、2月から3月にかけてまずデイジーより一足先に飼い主が体調を崩して入院するという騒ぎがありました。幸い事なきをえて退院したのですが、その直後のある朝に、デイジーは突然呼吸が荒くなり、放っておいたら危ない状態に陥ってしまいました。かかりつけの獣医さんに駆け込むと、すぐに入院となりました。そんなことをマネしなくてもいいのに。デイジーはどうやら誤嚥性肺炎を起こしたようです。幸い抗生物質などが奏功して翌日には退院し、さらにその翌日には通常通り散歩にも行けるようになりました。

が、この肺炎をきっかけに、デイジーはときどき膿のような鼻水をたらすようになりました。抗生物質を何種類か変えても、それは治りませんでした。獣医さんは、日頃の歯の手入れが悪いために歯周病が原因になって鼻が悪くなっているのだとおっしゃってましたが、後から思うと、これは鼻の腫瘍といったよくない病気の兆候だったのかもしれません。
日常的な歩行などの動作には、しばらくは影響はありませんでした。4月になると八ケ岳行きも再開し、八ケ岳の自然の中でデイジーは東京にいるよりも元気に見えました。


ただ、何度も歩いた湿性植物園の木道でふらふらとして何度も落下することが多くなり、もうボール投げなどで走ることもなく、ドッグランに入ることもしなくなりました。


9月末に15歳の誕生日を迎えてからのデイジーは、さらに目に見えて老化が進んでいくように感じられました。我が家の犬として15歳を迎えられたのは初めてのことでもあり、まだまだデイジーは元気だと思いたい飼い主は、デイジーが少し飛び跳ねたといえば喜び、デイジーが元気になるシチュエーションを探して再現することに集中していました。たとえばウッドチップの敷かれている遊歩道で足取りが軽くなるようだと思えばそこへ行き、お気に入りの下り坂道では多少走るようだと思えば何度も何度もそこへデイジーを連れて行きました。けれども、デイジーが元気な姿が目立つようになったということは、それ以外の大半の時間はかなりぼんやりと、しんどそうにしていたということでもありました。

この時期、飼い主は八ケ岳から東京へ戻るとき、いつも、もう次は来られないかもしれないと考えていました。
それでも、2017年の1年間、デイジーは奇跡のように八ケ岳へ戻ってくることができていました。しかし、また12月が巡ってきて山荘を閉めるとき、飼い主はデイジーに「次は来年の春にこようね」と声をかけながらも、今度こそもう次はないだうとわかっていました。この時に撮った写真が八ケ岳でのデイジーの最後の姿となりましたが、ともかく2017年という年に、彼女が14歳という壁を越えて、まるまる1年間山についてきてくれたことは神様の贈り物だと思っています。

12月第3週、八ヶ岳から東京に戻ってすぐに彼女は散歩中に歩くのを中断してしまうことが増えて、ときどきペットカートに乗って移動するようになっていきました。

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