投稿者: usadausako

2001年春、Y.S.夫妻は長年連れ添った14歳のゴールデンレトリバーを失い、沈んだ生活。
そんなある日、千葉方面に里親を探しているイングリッシュコッカースパニエルがいるという話が飛び込んできました。
先代の犬は、盲導犬専門ブリーダーさんから仕事を通じたさまざまなご縁で引きとらせていただいた、雄だからという理由で盲導犬不適格になった子だったのですが、10歳になる前にお散歩中の脳出血と思われる症状で寝たきりになり、介護にとても苦労をしました。
その子が亡くなったあと、犬のいない生活が寂しくて、見た目がゴールデンレトリバーと似た犬を探し回っていたのですが、頭の中には、これから年をとっていく人間にとってもう一度大型犬を介護するのはきついという、妙に冷静な考えもありました。そして、結局ご縁がつながったのは、ブルーローンのコッカースパニエルでした。子犬ではなくて成犬になってから繁殖不適格と判断された犬ですが、この子に出会う前のさまざまな出来事を考えると、ほんとに何かの縁がつながっていたのに違いないと思います。
なじみのない犬種だけれど、一度会ってみようとお見合いをした飼い主夫婦。
しかし、たった1-2時間ほどのお見合いが終わって自宅に帰ってからは、頭の中はその子のことでいっぱいになっていました。
そして、9月のはじめに再び千葉へ。このアラジンという仔を東京へ連れ帰ることになりました。
海風の吹く千葉の丘陵地帯にあるホテルに前泊してブリーダーさんのところへ向かうときに聞いたトンビの鳴き声、車で走った千葉の小さな町の薬屋さんに張られていた大高酵素、という古びたポスター、アラジンを連れて帰る途中に車で立ち寄ったペットグッズショップ、小さなできごとの一つ一つを今でも鮮明に覚えています。

アラジンとデイジーの飼い主は、2001年に先代のゴールデンレトリバーと死別したあと、イングリッシュコッカースパニエルのアラジン(当時1歳10か月)を里子として迎えました。
それから2年後にはペットショップの売れ残りとなりそうだったデイジー(生後5か月)を迎え、2頭のイングリッシュコッカースパニエルとの生活を始めることになりました。
楽しいこともたくさんありましたが、震災など幾多の苦労を乗り越えて、ファミリーとして犬たちとの絆を作り上げていきました。
が、2014年6月にアラジンが14歳半ほどの生涯を終え、それから4年ほど経過した2018年2月末にはデイジーもこの世を去りました。
全部で17年という年月は、けっして短くはありませんが、2頭がこの世から消えてしまって跡形もない今となっては、ほんとに儚い夢のようにしか思えません。
飼い主としては、彼らが生きた証をどこかに残すべく、黙々と彼らの思い出をここに張り付けていくつもりです。
こんな個人的な、意味もないホームページではありますが、世の中の片隅でこんな犬たちが生きていたということ、少しでも見ていただけたら彼らの供養になるかと思っています。